東大卒、マッキンゼー経由、お笑い芸人の石井てる美さんが出した鋭いタイトルのこの本。
高学歴なお笑い芸人が増えているようですが、このキャリアもインパクト強ですね。
年も近く、学年だとおそらく2つ違いです。
今もお笑い芸人として成功しているというご認識はなく、それでも進んでいるという実感から今に納得しているのだそう。
先月出版された書籍(厳密には2013年に出版された書籍の文庫版のようです)に関する記事を見つけ、その書籍も購入して読んで、感じたこと。
結果が出るまでの葛藤
マッキンゼーに入社して1年4か月の間に様々なご努力をされています。
挫折、同僚との競争、上司の昇進の道具にされる、自分のアウトプットのクオリティにかかわらず罵倒される、、など。
こういった様々なことから、今まで当たり前と思っていたキャリアへの考え方に疑問が生じ、本当にやりたいことを突き詰めお笑い芸人になることを決め、退職に至ります。
挑戦して失敗するのが怖い。
失敗して笑われたら恥ずかしい。
人間って、気がつくとこんなことをよく考えるものです。
そしてためらってしまう。
でも、挑戦しないことが一番の問題。
それもわかっちゃいるけど、なかなかその一歩が踏み出せない。
こういった声も、よく聞かれます。
東大に入ったときも、マッキンゼーに入ったときも、自分はできるというプライドもあったと思います。
そして様々な経験をされた、てる美さんのコメントはこちら。
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いざ実際に行動に移してみて、「予想通りにならなかった」
「思っていたのと違った」ということはよくあることです。
他人から見たら「失敗」と映るかもしれません。そんなときは、
「やってみたけど、ダメだった。やめる」
と言うのではなく、マッキンゼー風に、
「検証したけど、仮説がズレていた。修正する」
とキリッと言ってみましょう。なんだか一気に失敗の臭いが消え去りませんか。
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記事でも紹介されているこの一節。とてもエレガントであり、力強い。
そして、そもそも失敗ではないという本質的な部分にとても共感しました。
税理士試験
私の昔話ですが、税理士資格を取るために働きながら何度も(8回?)受験しました。
税理士試験は年に1回8月にしか無くて、12月に結果発表。
業界的な繁忙期もおかまいなし、1月から8月までは試験勉強、9月から12月までは結果がわからず落ち着かない日々。
結果として、20代はほぼ税理士試験との共同生活が続いたわけで、何度も落ち続けると「やめようか?」とか「違う資格を取るか?」とか思ったり、落ち込んだことは何度もあります。
また、もっと早く合格していれば例えばワーキングホリデーに行けたかなとか、他にできたことを想像することもあります。
それでも今は、最後まで続けたこと、そして20代のうちにタフな仕事と並行しながら取り組んだ事実が自信になっていることは間違いありません。
成功の反対にあるもの
前述のとおり、そもそも、うまくいかなかった=失敗ではないということ。
尊敬するコンサルタントの福島正伸さんも、「成功の反対は挑戦しないことであって、挑戦の結果は成功と成長しかない」とおっしゃっています。
私も以前からの考えでもあり、下記の記事で触れていますが、「やらない後悔より、やってする後悔」という言葉で表現し、意識していますが、福島さんの言葉を聞いて以来、失敗という言葉を更に使わなくなりました。
(今回は内容的に書かざるを得ませんが)
https://tsunaguco.jp/blog/actfrommybelief/
何度も行動し続け、それでも思った通りにならないこともたくさん。
それでも、やっている限りちゃんと前に進んでいる。
そして、成功したというのは長い長いプロセスの最後の結果でしかなく、その成功までにおける無数の挑戦は他人からは失敗に映ってしまう。
そこに応援してくれる人がひとりでもいるだけでとても心強い。
石井さんの場合はご家族がそうであったように。
コンサルタントは、言葉で影響を与える仕事。
私も、影響を与えられるような書籍の出版を検討してみますかね。
(お声がけいただけるかは別問題)