※品川プリンスの近くにて。
この季節らしい(?)、レベルアップに関するテーマでひとこと。
マネージャーとしての人材育成
勤務時代はマネージャーというポジションで、セミナーや書籍執筆等のPR活動をしたりグループの経営会議にも参加し、また自身も実務に従事する傍ら、後輩メンバーのサポートをしていました。
その職場ではスタッフ、シニア、マネージャーといった階層になっており、税務申告書の作成という業務でいえば、スタッフ、シニアのメンバーが申告書を作成し、マネージャーはスケジュール管理やクライアントとのリレーション構築・維持といった全体的なコントロールのほか、スタッフ・シニアが作成した申告書のレビューをします。
スタッフは新卒入社だけではなく大手税理士法人や個人事務所からの転職、はたまた事業会社からの転職など、様々なバックグラウンドを持っており、当然に様々な考え方を持っています。
ある事柄について、これが正しいと主張するメンバーがいれば、「その根拠は?」「(違う視点で)このように考えた場合は?」と聞いてみる。
「教えてください」と答えを求めるメンバーがいれば、「あなたの意見(答え)は?」と投げ返す。
税務スキルが高いメンバーであったとしても、例えばクライアントが期待する結果ではない場合に、説明が足りなくてクライアントの満足が得られなかったり。
もちろん一定の答えを提示して一緒になって進めることもありますが、マネージャーというポジションは人材育成が主たる職務のひとつであると考えていたので、業務に支障が無い範囲で、できる限りメンバーがレベルアップできることを考えてリアクションします。
法定申告期限という締め切りのある仕事であるので、早く進めたいメンバーにとっては「早く教えて!」「榑松さんの言うとおりにするから早く決めて!」ということもあったでしょうね。
そして、そのような雰囲気は見てればすぐわかります。
ただ、このような切迫した状況だからこそ真剣に考えて一気にレベルアップできるのもまた事実。
補助輪の理論
飲み会か何かでこんなことを話したことがあります。
「私(正確にはマネージャーというポジションの人たち)はいうなれば自転車の補助輪みたいなもの。スタッフは補助輪付きの自転車に乗って、一生懸命自転車に乗る感覚をつかんだり、歩くよりも早いスピードに慣れていく練習をする。それができるようになってきて、補助輪が無くてもほぼ自分で運転ができるようになると、シニアというポジションが与えられる。そして、補助輪なしの運転にも慣れてきて、それが人に教えられるようになってくると、自然とマネージャーというポジションになっていくんだろうね」
…なかなか言い得て妙であります笑
コンサルの場面での応用
とまぁ以前の勤務時代に考えていたことですが、今実施しているコンサルティングの場面における対クライアントとのやり取りにおいても、似た部分があります。
クライアントのビジネスの成長を一緒に考えるという立ち位置からすると、あくまでヨコなので上記の勤務時代の経験とは前提が異なりますが。
いわゆる情報提供型のコンサルティングの場合、基本的には教えるのみで、相手もなかなか自立していかない。
(それが狙いなのかもしれませんが)
早く答えを伝えたほうがいい場面もあれば、敢えてペンディングにしてクライアント自身が答えを出せるように時間をかけたほうがいい場面もあります。
こちらのパートナー型のコンサルティングとなると、このようなことを意識していく必要があります。
その判断基準は正直場慣れ、つまり経験による感覚の部分もあると思います。
ただ、もはや無意識ですが、元々は昔考えた体系的な図があって、その中でクライアントのビジネスが今どこにいるか、それに合わせて、敢えて問いかけをしたり、一方で自身で手を動かしたりしたり。
サポートという名の二人三脚ですね。