仕事柄、経営判断の場面にご一緒することが多いです。
商品をどこに投資すべきか、投資(人的・物的)をすべきか否か、融資をすべきか否か、再編をすべきか否か、海外子会社との取引をどのように設計するかなど、決定すべきことは無数にあります。
そのような状況下で、経営者の方々は判断が早く、攻めるべきと決めたら大胆に攻め、守るべきと決めたらしっかり守る。
むしろその決定自体ではなく、決めずに曖昧にしている(又は当事者に曖昧に伝えている)ことが経営に悪影響を及ぼしていることが多い気がします。
判断のプロセス
判断するためには、その判断をするための材料が必要です。
経営者はどうして迷っているのか、どういう形にしたいのかを考える。
私はそれを数値化してお見せするとともに、法令上問題ないかなど、関連して判断に必要な情報を提示しながら、自身の見解も意見する。
それらを踏まえて選択肢がどれだけあるのかを再度精査し、実行するためには何が足りないのか、そのためにはリソース(時間的・金銭的)がどの程度必要なのかなどを一緒に整理していきます。
こうすることで、その時点での最適解を導いていきます。
絶対的な間違いはない
ただし、それでも選択肢に甲乙つけがたく、どの決定をするかが難しいときがあります。
そのような経営判断の場面で言うことがあります。
「どっちも正解」と。
先日のクライアント(経営者)との打ち合わせでは「確かにそうだよね」と一気に流れが変わりました。ただ、別に煮詰まった空気感を変えることを意識して場当たり的に発言したというよりも、どちらに行ってもそうそう悪くはならないことが明らかだったので、すごく自然なところからの発言でした。
もちろん直感のみでざっくりしたものではなく、一緒になって徹底的に検討していること、このプロセスを経ていることが重要です。ただ、そこまで至ったのであれば、もはやどちらを選んでも絶対的な間違いは無いと思うのです。
そうとわかれば、いずれかを選ぶ。
選んだことを信じて突き進む。
人生の選択肢
経営判断のみならず、人生は常に無数の選択の連続。
私自身、独立開業をするにあたりいろいろ考えました。
これも経営判断のような難しい選択ではありましたが、悩み抜いて最終的には心の方向に素直になり、今ではこれでよかったと思っています。
大事なのは、選ばなかった方をいつまでも気にするようなことをしない。
これが何より時間と思考の無駄遣い。